元税務調査官が教える「税務署との付き合い方!」

これまで税務調査に関する様々な情報を紹介してきたが、今回は少し切り口を変え、より実践的な「付き合い方」について私の国税生活の経験をもとにまとめてみた。なお若手経理マンと元税務調査官との対談方式で説明している。

  1. 税務署は親切な役所!?
  2. 調査官とは、税務調査での一期一会
  3. 税務調査中の注意事項
  4. 税務調査中に急用等が発生した場合
  5. 税務署に質問する際の注意事項

 

1. 税務署は親切な役所!?

若手経理マン
「税務署については非常に嫌なイメージもありますが、実際はどんな役所ですか?」

元税務調査官
「とても親切な役所です。窓口の応接関係は非常に丁寧で親切です!税務署員は接遇等の研修を定期的に受けており、申請・届出関係で来署したお客さんや税法関係の質問で来署したお客さんに対しては、親切かつ丁寧に対応します。 電話応対についても、非常に丁寧です。」

若手経理マン
「そうなんですか!これからは税務署と安心して付き合えますね……。」

元税務調査官
「もちろん脱法行為を行っている者については毅然とした態度で接しますが(笑)」

 

2. 調査官とは、税務調査での一期一会

若手経理マン
「国税という職場は転勤が多い職場だと聞いたことがありますが?」

元税務調査官
「そのとおりです。多くの職員は3~4年で転勤ですので、同じ調査先に2度調査に行くことは、滅多にありません。従って、調査官との付き合いは一期一会だと言えます。税務調査中に調査官に大いに意見を主張したとしても、次の調査に影響はしませんので遠慮は禁物です。」

 

3. 税務調査中の注意事項

若手経理マン
「税務調査中の調査官との応対で気を付けることがありますか?」

元税務調査官
「まず、調査官には挑発的な態度をとらないほうがよいです。調査官も心を持った人間であり、挑発的されれば感情的になることもあります。調査官のヤル気にさらに火がつき 税務調査が長引くケースもあります。
次に調査官の質問に対しては、回答をコロコロと変えないようにしましょう。回答をコロコロと変えられると調査官としては信用できなくなり、調査先だけでは事実確認が困難として、取引先に反面調査を実施するケースがあります。
そして、税務調査中の調査官は敵であります。調査官が穏やかな口調と表情で話しかけてきても、決して心を許さぬように気をつけてください。」

元税務調査官
「お土産と調査当日の昼食の詳細については「元税務調査官が語る「税務調査に関する知られざる雑学」を参照してください。」

 

4. 税務調査中に急用等が発生した場合

若手経理マン
「もし、調査中に身内に何かあった場合やかなりの体調不良で調査の応対ができなくなった場合はどうすればよいのですか?」

元税務調査官
「その場合は、調査官に事情を説明するとともに調査日程の変更等を申し出てください。調査官が、やむを得ないと判断したときは調査日程の変更がされる場合があります。」

 

5. 税務署に質問等する際の注意事項

若手経理マン
「税務署に質問等する際の注意事項を教えてください。」

元税務調査官
「税務署員に質問等した際は、必ず回答者の名前と日時は記録して下さい!税務署員も人間であり、誤った回答をする可能性がないとは断言できません。回答者の名前と日時は記録しておき、後日、誤った回答を参考に処理して問題になった場合は、税務署にその旨を説明するとともに言い分を主張します。」

若手経理マン
「ありがとうございました。今回の知り得た情報を今後の参考にさせていただきます!」