You Tuberは源泉徴収税に対する手続きを行っていますか!?

皆さん、You Tubeの収益要件が2021年6月より変わっていることをご存知でしょうか?
日本では正式な手続きを踏んでいれば損をすることは無いですが、もしこの手続きを飛ばしていると最大で24%の源泉徴収をされてしまう可能性があります。
それではどのような変更が入ったのかを見ていきましょう。

目次

  1. 2021年6月からの収益要件変更点について
  2. 源泉徴収をされる仕組みについて
  3. 外国税額控除は適用できるのか?

1.2021年6月からの収益要件変更点について

この度変更が入った内容は「2021年6月より、Googleは米国の視聴者から生じた収益に対して米国の源泉徴収税の控除を開始」するといったものです。これに対してクリエイターは、2021年5月31日までに米国の税務情報をAdSenseで提出する必要がでてきました。提出をしていない場合は、収益のうち最大で24%が源泉徴収税として控除されてしまう可能性があります。

正式な情報を提出をした場合は、
居住国、租税条約による優遇措置の対象であるかどうか、アカウントの種類が個人かビジネスのどちらであるかによって異なりますが、その要件に応じて0〜30%の源泉徴収税が控除されることになります。
日本にお住まいの方は、租税条約を結んでいるので適切な手続きを行うことによって、源泉徴収税率は0%となります。

主にクリエイターが実行するべきことは次の2つです

  1. AdSenseから米国税務情報の提出(※3年ごとに更新が必要)
  2. AdSenseから租税条約に関する情報の提出

2.源泉徴収をされる仕組みについて

ここまで源泉徴収をされる可能性についてお話させていただきましたが、ではGoogleはなぜ急にこのような要件を出してきたのでしょうか?ここからは源泉徴収をされる仕組みについて見ていきたいと思います。

YouTuberは、作成した動画を投稿しその動画に対して再生される広告に応じてGoogleから収益を受け取っています。これまでは収益は広告料とされていましたが、今回YouTubeからの収益が「ロイヤリティ」とみなされるように規約が変更されました。ロイヤリティとなれば、米国の法律に照らし合わせるとGoogleは源泉徴収を行う必要があると考えられます。
源泉徴収の対象は、米国の視聴者が動画を再生したことで生じるロイヤリティを受けている全世界のクリエイターとなります。

 

3.外国税額控除は適用できるのか?

では、すでに徴収されてしまっている源泉徴収税はどのようになるのでしょうか?
外国税額控除を適用することができると考える方もいらっしゃると思いますが、結論から申し上げると外国税額控除の適用はできません。

税務情報の提出期限である5/31までにGoogleへ税務情報を提出していない場合・・・
Googleは本年12/31までに税務情報を提供した場合にはすでに一旦徴収された源泉所得税の払い戻しを行うとしている。
そのため、外国税額控除は適用できないと考えることができます。

外国税額控除では、「居住者に係る外国税額控除の対象となる外国所得税の範囲」として「外国所得税に含まれないもの」として次のものを列挙している。

  • 税を納付する人が、その税の納付後、任意にその金額の全部又は一部の還付を請求することができる税

前述の通り、本件の源泉所得税は還付を請求することができる税と考えられるため、外国税額控除の対象にはならない。

また、「居住者に係る外国税額控除の対象とならない外国所得税額」として、日本が租税条約を締結している相手国等において課される外国所得税額のうち、

  • その租税条約の規定(当該外国所得税の軽減又は免除に関する規定に限ります。)によりその相手国等において課することができることとされる額を超える部分に相当する金額又は免除することとされる額に相当する金額

上記のような定めもあるため、そもそもが外国税額控除の対象外として考えることができます。

Googleの源泉所得税の払い戻し期限がいつになるのかは定かではありませんが、いずれにしても気づいた段階で税務情報提出の手続きを行っておくことが最善策ですね。

参照元

Google You Tubeヘルプ
国税庁 外国税額控除