- 労働保険とは
① 労働保険とは何ですか?
② 労災保険とは?
③ 雇用保険とは?
④ 労災保険の対象者を教えて下さい
⑤ 雇用保険の対象者を教えて下さい - 労働保険の更新とは
① 年度更新とは?
② 労働保険料の更新の期限はいつですか? - 労働保険の申告・納付について
① 計算していたら小数点以下が発生しました。どうしたらいいですか?
② 計算の結果、納付金額はありませんでした。どうしたらいいですか?
③ 3回に延納する場合、金額が3等分できないときはどうしたらいいですか?
④ 一般拠出金とは何ですか?
⑤ 書き間違えてしまいました。どうしたらいいですか?
⑥ 賞与や通勤手当も賃金に含めますか?
⑦ 労働保険料の納付期限に遅れるとどうなるのでしょうか?
労働保険とは
① 労働保険とは何ですか。
「労災保険」と「雇用保険」をまとめて「労働保険」といいます。
②労災保険とは
労働者が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、病気に見舞われたり、あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族を保護するため必要な保険給付を行うものです。また、労働者の社会復帰等を図るための事業も行っています。
③雇用保険とは
労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、再就職を促進するため必要な給付を行うものです。また、失業の予防、雇用構造の改善等を図るための事業も行っています。
④労災保険の対象者を教えて下さい。
雇用形態に関わらず、労働の対償として賃金を受ける全ての方が対象となります。
⑤雇用保険の対象者を教えて下さい。
・31日以上の雇用見込みがあること
・1週間当たりの所定労働時間が20時間以上であること
※上記の試算は、平成22年7月から平成23年6月までの1年間に新たに加入した方に関する試算です。
※平成22年4月1日以前から引き続き雇用されている方については、平成22年4月1日時点において31日以上の雇用見込みがある場合、加入が必要です。
※適用要件に該当する労働者の方を雇い入れた場合(平成22年4月1日以前から引き続き雇用され、新たに加入することになった場合も含まれます。)には、公共職業安定所に対して雇い入れた日の属する月の翌月10日までに雇用保険被保険者資格取得届を提出することが義務づけられています。
※雇用保険に加入した場合には、公共職業安定所から事業主を通じて雇用保険被保険者証等を交付することとしています。事業主は「雇用保険被保険者証」及び「雇用保険被保険者資格取得確認通知書」を本人に確実に手渡しましょう。
労働保険の更新とは
① 年度更新とは
労働保険の保険料は、毎年4月1日~翌年3月31日の1年間を単位として計算します。(これを「保険年度」といいます。)
その額はすべての労働者(雇用保険については、被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定します。
労働保険では、保険年度ごとに概算で保険料を納付(徴収法第15条)し、保険年度末に賃金総額が確定したあと精算(徴収法第19条)するという方法をとっています。
前年度の保険料の清算(確定保険料の申告・納付)と新年度の保険料の申告(概算保険料の申告・納付)を行うのが「年度更新」です。
この年度更新の手続きは、毎年6月1日~7月10日までの間に行わなければなりません。
手続きが遅れますと、政府が保険料・拠出金の額を決定し、さらに追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)を課すことがあります。
② 労働保険料の更新の期限はいつですか?
労働保険料の申告・納付期限は、7月10日です。ただし、概算保険料が40万円以上(労災保険又は雇用保険のみの加入は20万円以上)又は労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合は、3回に分けて納付(延納)することができます。
第1回:7/10、第2回:10/31、第3回:1/31です。
口座振替を利用している場合は、第1回:9/6、第2回:11/14、第3回:2/14です。
確定保険料と概算保険料の合計で40万円以上の場合は、延納することはできませんのでご注意ください。
労働保険の申告・納付について
① 計算していたら小数点以下が発生しました。どうしたらいいですか?
「切り捨て」して計算してください。
②計算の結果、納付金額はありませんでした。どうしたらいいですか?
納付金額がない場合は、申告書のみを管轄の労働基準監督署、労働局又は社会保険・労働保険徴収事務センターに提出して下さい。郵送でもOKです。
還付額がある場合は、申告書と還付請求書を提出して下さい。還付請求書は、「申告書の書き方」の中に同封されています。
③ 3回に延納する場合、金額が3等分できないときはどうしたらいいですか?
第1期分に加算して下さい。余りは必ず1円又は2円となります。
④ 一般拠出金とは何ですか?
石綿(アスベスト)健康被害者の救済費用に充てるため、平成19年4月1日より事業主が負担するものです。
参考:石綿による健康被害の救済に関する法律
⑤書き間違えてしまいました。どうしたらいいですか?
「申告書」を間違えた場合は、わかるように訂正して下さい。訂正印は必要ありません。
「領収済通知書(納付書)」の納付額を間違えた場合は、納付額の訂正はできません。新しい領収済通知書を使用して下さい。領収済通知書は、労働基準監督署及び労働局にあります。郵送で取り寄せるときは、返信用封筒を同封して下さい。なお、他都道府県の領収済通知書での納付はできません。
⑥ 賞与や通勤手当も賃金に含めますか?
はい、含めます。
「賃金に含めるもの」「賃金に含めないもの」の区分は下記の一覧表を参考にしてください。
「労働保険料等の算定基礎となる賃金早見表」
⑦ 労働保険料の納付期限に遅れるとどうなるのでしょうか?
手続きが遅れますと、政府が労働保険料・一般拠出金の額を決定し、追徴金(10%)が課されます。納付を怠った場合は、財産差押えなどの滞納処分を受ける可能性があります。また、延滞金が徴収されます。
延滞金は、政府より労働保険料の納付の督促をうけ、督促状に指定された期限までにこれを納付しないときに、法定納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算し徴収されます(年14.6%の率)。納期限から2ヵ月については、「7.3%」と「前年の11月30日において日本銀行が定める期準割引率+4%」のいずれか低い割合です。
なお、法人税法や所得税法の計算上の経費(損金)に算入できます。