従業員を雇用したとき、退職したときの手続きってどうやるの?

新しく従業員を雇用したとき、どんな書類をどこに出す必要があるのかわからない方多いのではないでしょうか?また、従業員が退職したときも様々な手続きが必要です。

今回は会社がしなければいけない各種手続きについて説明させていただきます。

目次
~従業員を雇用したときの手続き~

  1. 最初に労働条件通知書を交付しましょう!
  2. 従業員を雇用したらこの書類を提出してもらいましょう!
  3. 労働保険の手続き
  4. 社会保険の手続き

~従業員が退職したときの手続き~

  1. 退職者から回収するもの渡すもの
  2. 雇用保険の退職手続き
  3. 社会保険の退職手続き
  4. 住民税の手続き

従業員を雇用したときの手続き

1.最初に労働条件通知書を交付しましょう!

新しく従業員を採用するときには、最初に賃金等の労働条件を提示して労働契約を結ばなければいけません。その書類が労働条件通知書です。
記載する内容は、労働契約の期間、従事する業務や場所、時間や休暇、賃金、退職に関することなどです。

2.従業員を雇用したらこの書類を提出してもらいましょう!

  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 年金手帳          ・・・コピーを取って返却
  • 雇用保険被保険者証     ・・・以前に加入していた場合
  • 給与の振込先がわかる書類  ・・・給与の支給に必要(通帳のコピーでもOK)
  • 通勤手当支給申請書     ・・・交通手当の支給に必要
  • 健康保険被扶養者(異動)届 ・・・扶養する親族がいる場合
  • 前の会社の源泉徴収票    ・・・入社した年に前職がある場合

扶養控除等(異動)申告書は毎月の給与の源泉所得税を求めるときに必要な書類ですので、会社に保管しておきましょう。

3.労働保険の手続き

雇用保険
管轄のハローワーク翌月10日までに雇用保険被保険者資格取得届を提出しましょう。

○ 加入条件
アルバイトやパートの方でも下記の場合は加入しなければいけません。

  • 週の労働時間が20時間以上でかつ31日以上雇用の継続が見込まれる場合

労災保険
労災保険は、労働時間や契約期間に関わらず、すべての従業員が加入します。ただし、従業員の採用時や退職時に特に手続は必要ありません。年に1度、年間の保険料を計算し納付することになります。

労働保険の申告に関する詳しいことはコチラ

4.社会保険の手続き

健康保険・厚生年金
管轄の年金事務所入社から5日以内健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届を提出しましょう。

※ 記入するときの注意点
報酬月額は通勤手当や残業代を含めた金額を記入するようにしましょう。
扶養する親族がいる場合は健康保険被扶養者(異動)届の提出も必要になりますので入社時に記入してもらいましょう。

※ 記入するときの注意点
3枚目の右下の欄に、扶養の方の記入押印を忘れないようにしてください。
本人が署名する場合は、押印を省略することができます。

○ 加入条件

  • アルバイトやパートの方でも、1日の所定労働時間が正規社員のおおむね4分の3以上であり、なおかつ1ヶ月の所定労働日数が正規社員のおおむね4分の3以上であれば、収入に関係なく加入する必要があります。
  • ただし、雇用期間が2か月以内、日雇い、季節的に業務(4ヶ月以内)にあたる場合、臨時的事業の事業所(6ヶ月以内)にあたる場合は加入の必要はありません。

従業員が退職したときの手続き

1.退職者から回収するもの渡すもの

退職者から回収するもの

  • 健康保険被保険者証(本人及び扶養の親族分)
  • 社員証
  • 会社携帯など貸与物

退職者に渡すもの(後日送付)

  • 源泉徴収票・・・退職日から1ヶ月以内
  • 雇用保険資格喪失証
  • 離職票・・・従業員が希望する場合

2.雇用保険の退職手続き

管轄のハローワークに退職した翌日から10日以内雇用保険被保険者喪失届を提出しましょう。

退職者が離職票を希望する場合には雇用保険被保険者離職証明書の提出も必要になりますので、退職日までに必要かどうか確認しておきましょう。
離職票は退職者が失業手当をもらうときに必要な書類です。また、59歳以上の退職の場合には、本人の交付希望の有無によらず、離職票を交付しなければなりません。

雇用保険被保険者離職証明書は3枚1組の複写式用紙となっておりますのでダウンロードできません。
ハローワークにとりにいきましょう。添付書類として労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、退職届など退職理由を確認できるものが必要になります。

※ 記入するときの注意点
退職者本人が記名押印又は自筆による署名をする箇所がありますので、退職前に作成し記名押印してもらいましょう。

3.社会保険の退職手続き

管轄の年金事務所に退職日から5日以内健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届を提出しましょう。
提出の際、健康保険被保険者証(本人及び扶養の親族分)を添付する必要がありますので退職日には回収しておきます。

※記入するときの注意点
資格喪失年月日は退職日の翌日を記入しましょう。

健康保険任意継続
特に会社側がする手続きではないのですが、退職者にとっては重要なことなのでお伝えしておきます。社会保険に2か月以上加入していた人が会社を退職して、社会保険の資格を失う際に、退職後も最長2年間社会保険(健康保険)を継続できる制度を健康保険任意継続といいます。退職後任意継続したい場合は、退職した日から20日以内に任意継続被保険者資格取得申請書を退職者本人が住所地を管轄する社会保険事務所に期限厳守で提出しなければいけません。

今回は社会保険・労働保険に加入している事業所をで前提で説明させていただきましたが、まだ社会保険・労働保険に加入していない事業所はまずは加入手続きをしてください。

4.住民税の手続き

会社が住民税を給与から天引き(特別徴収)していた従業員が退職した場合、給与支払報告に係る給与所得異動届(3枚1組)を翌月10日までに従業員が居住する市区町村に提出します。退職日によって手続きが変わりますので注意が必要です。

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雇用したとき・退職したときの手続きまとめ

どの書類も郵送での手続きが可能です。
従業員を雇用したときも退職したときも延滞なく書類を提出するよう心がけましょう。

特に退職手続きは退職理由や従業員のその後の進路によっても異なるので注意が必要になります。
例えば雇用保険の手続きでは退職に至った理由によって、失業給付を受けられる日数が変わります。

手続きを誤ると大きなトラブルにつながりかねないので、退職に関する手続きは特に慎重さが求められます。
手続に必要となる書類が多いので、自社で必要な手続きの一覧や手順書を作成し、漏れがないようにしましょう。