平成28年度労働保険申告書を簡単に作成|自動計算テンプレート付き

毎年6月初旬頃から、「労働保険料・一般拠出金 申告書在中」と書かれた緑の封筒が送られてきます。

今年の申告・納付期限は7月11日(月)までとなっております。

今回の記事は、昨年の記事と同様、継続事業用労働保険年度更新申告書の書き方を解説するとともに、集計した数値を入力するだけで労働保険申告書ができあがる平成28年度用のシートをご紹介させて頂きます。

  1. 年度更新とは
  2. 今年度の変更点
  3. 労働保険申告書の書き方
  4. 平成28年度用 労働保険申告書の自動計算ツール
  5. まとめ

1. 年度更新とは

労働保険の年度更新とは、毎年4月1日から3月31日を単位として、前年度分の確定している保険料と昨年納付した概算保険料の精算、新年度分の概算で計算した保険料を労働基準監督署、都道府県労働局等へ申告することです。

今回は継続事業用の労働保険年度更新申告書の書き方についてご説明させて頂きます。

 

2. 今年度の変更点

雇用情勢が改善し、積立金残高が増え、安定的な財政運営が図れるとの判断から、平成28年度の雇用保険料率を引き下げが決定しました。

個人負担額、事業負担額とも保険料率が低くなります。

無題

 

3. 労働保険申告書の書き方

厚生労働省から送られてくる緑色の封筒には、以下のものが同封されています。

  1. 労働保険概算・増加概算・確定保険料一般拠出金申告書
  2. 平成27年度 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表
  3. 平成28年度 労働保険・年度更新 申告書の書き方
  4. 保険料率表(厚紙)
  5. 各種お知らせ

手順は、「平成27年度 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表」を使い、賃金等の集計をし、「労働保険概算・増加概算・確定保険料一般拠出金申告書」へ転記する形になります。

 

「平成27年度 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表」の書き方

まず、労災保険および一般拠出金(対象者数及び賃金)の欄に下記の区分で集計して合計を出します。(平成27年4月1日〜平成28年3月31日分)

  • 常用労働者、パート、アルバイトで雇用保険の資格のある人
  • 役員で労働者扱いの人
  • 臨時労働者(上記1、2以外の全ての労働者)

次に、雇用保険(対象者及び賃金)の欄に下記の区分で集計して合計を出します。

  • 常用労働者、パート、アルバイトで雇用保険の資格のある人
  • 役員で雇用保険の資格のある人
  • 免除対象高年齢労働者
  • ※4月1日現在で満64歳以上の労働者が対象

それぞれ集計したものを、下記の画像を参照して転記していきます。

平成●●年度 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表

以上で、「確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表」は完成です。

 

「労働保険概算・増加概算・確定保険料一般拠出金申告書」の書き方

上記で記入していただいた集計表の番号を、下記の画像を参照にして申告書へ転記していきます。
※労働者が全員雇用保険の被保険者である場合は、(イ)と⑦⑧⑨の部分のみ記入して下さい。

労働保険申告書

転記が完了しましたら、申告書に印字されている労災保険・雇用保険・一般拠出金の各料率を掛けて保険料を計算します。保険料の計算が完了すると、申告書に印字されている申告済概算保険料額と確定保険料との差引額を計算します。
赤丸のところで、充当意思を選択してください。
申告済概算保険料額のほうが多い場合は、「充当額」、少ない場合は「不足額」にその差額を記入します。
今期納付額を入れれば、労働保険申告書の完成です。

 

4. 平成28年度用 労働保険申告書の自動計算ツール

労働保険料申告書作成シート 平成28年度版

※直接書き込むことができませんので、Googleアカウントでログイン後「ファイル」から「コピーを作成」し、ご利用ください。
Googleアカウントをお持ちでない方は「ファイル」から「形式を指定してダウンロード」をしていただき、エクセル等でご利用ください。

STEP1 集計表に入力する。

「算定基礎賃金集計表」のシートを選択して頂き、労災保険および一般拠出金(対象者数及び賃金)の欄に下記の区分で集計して合計を出します。

  • 常用労働者、パート、アルバイトで雇用保険の資格のある人
  • 役員で労働者扱いの人
  • 臨時労働者

次に、雇用保険(対象者及び賃金)の欄に下記の区分で集計して合計を出します。

  • 常用労働者、パート、アルバイトで雇用保険の資格のある人
  • 役員で労働者扱いの人
  • 免除対象高年齢労働者

STEP2 印字されているものを入力する。

「申告書記入イメージ」のシートを選択して頂き、②③④⑤欄に、労働保険申告書に印字されている保険率を入力します。
※メリット制適用事業場の場合は、同封されている労災保険率表とは異なる計算となりますので、ご注意ください。
次に、⑦欄に、印字されている申告済み概算保険料額の金額を入力します。

STEP3 その他必要事項を入力する

①欄において、還付金の請求を「行う」か「行わない」かを選択します。還付金の請求を「行う」場合は、還付請求書を別途作成する必要があります。

⑧欄の「充当意思」欄に「1~3」の数字を入れます。

  1. 労働保険料のみに充当
  2. 一般拠出金のみに充当
  3. 労働保険料及び一般拠出金に充当

一般的に3.を選択して頂ければ、労働保険料と一般拠出金に充当できますので、手間が最も少ないかと思います。

概算保険料額が40万円以上の場合、納付を3回に分割(7月11日、11月14日、2月14日)することができます。黄色枠の⑥欄に3と入力すると分割になります。(※労働保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係が成立している場合20万円)

使い方の説明は以上になります。

あとは、「申告書記入イメージ」のシートをそのまま労働保険申告書に転記してください。

※著しい事業規模の変更や事業を廃止している等、一部のケースでは自動計算がご利用できませんのでご了承ください。
※事業主の住所や名称などの記名押印などは実際の申告書では忘れずに記入してください。

 

5. まとめ

平成28年度の労働保険申告書は昨年からの変更点がございますので、労働保険申告書作成の際は変更点に注意を払うようにしてください。

毎年届く労働保険申告書。手計算は面倒ですし、集計時の間違いが起こる可能性がございますので、便利なツールを使ってパッと処理してしまいましょう。