平成26年税制改正大綱 企業に影響を与えるものをピックアップ

平成25年12月12日(木)、「平成26年度税制改正大綱」が自民党ホームページで公表されました。

通常の税制改正大綱は、毎年12月に決定されますが、今回の税制改正大綱は10月1日で平成26年税制改正大綱の一部の「民間投資活性化等のための税制改正大綱」が承認され、12月に残りの税制改正大綱が承認されています。原案は、自民党ホームページで見ることができます。

民間投資活性化等のための税制改正大綱についてはコチラを参照下さい。

今回は、「平成26年度税制改正大綱」のうち、12月12日に追加で公表されたものの中から、特に影響が大きいものを分かり易くご紹介させていただきます!

  • 消費税の軽減税率の導入
  • 簡易課税のみなし仕入率の見直し
  • 法人実効税率の見直し
  • 復興特別法人税の廃止
  • 給与所得控除の上限の引き下げ
  • 交際費課税の見直し
  • 自動車関連税制の改正
  • 国家戦略特区における優遇税制の創設
  • 地方法人税(国税)(仮称)の創設
  • NISAの制度変更

 

消費税の軽減税率の導入

財源確保と国民の理解を得たうえで、消費税率10%時に軽減税率を導入。

消費税の軽減税率については、必要な財源の確保と国民の理解を得た上で、消費税率10%時に導入することになりました。また、対象品目の選定、区分経理等のための制度整備などについては検討し、平成26年12月までに結論を出すことになりました。

軽減税率については?消費税軽減税率の導入が経理に与える影響は??をご覧ください。

簡易課税のみなし仕入率の見直し

不動産業のみなし仕入率を40%に引き下げ。

消費税の簡易課税については、平成 27 年4月1日以後に開始する課税期間から、不動産業を第6種事業とし、そのみなし仕入率が40%(現行 50%)とされ、金融業及び保険業を第5種事業とし、そのみなし仕入率が 50%(現行60%)に引き下げられました。

法人実効税率の見直し

法人実効税率の引き下げについては、引き続き検討。

法人実効税率の引き下げについては、法人実効税率引下げと企業の具体的な行動との関係や、現在の法人課税による企業の税負担の実態も踏まえ、その政策効果などを検証しながら、引き続き検討が進められることになりました。

復興特別法人税の廃止

平成25年度末で1年前倒しで廃止。

法人の平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間を対象に課税される復興法人特別税が1年前倒しで廃止されることになりました。

給与所得控除の上限引き下げ

平成28年より給与所得控除の上限額を縮小。

給与所得控除については、平成28年より、給与の収入金額が1,200万円を超える場合の給与所得控除の上限を230万円とし、平成29年より、給与の収入金額が1,000万円を超える場合の給与所得控除の金額の上限を220万円とされました。

企業の交際費課税の見直し

交際費を大企業を含め半分を経費として認め、非課税とする制度を14年度から2年間導入。

これまで、資本金1億円超の会社の交際費等の額は損金に算入されませんでしたが、今回の改正で交際費等の額のうち、飲食のために支出する額の50%を損金の額に算入することになりました。

資本金1億円以下の会社については、これまで通りになります。

交際費の取扱いについてはコチラ

自動車関連税制の改正

平成27年4月以降に購入する新車の軽自動車税を増税。

軽自動車については、平成27年4月以降購入の新車に限り、自家用乗用車の軽自動車税を年7200円から1.5倍の1万800円に増税されることになりました。
自家用貨物車と営業用は約1.25倍に増税されることになりました。
二輪車については、税率を約1.5倍に引き上げた上で、2,000円未満の税率を2,000円に増税されました。
既存の軽自動車については、軽自動車税は据え置かれます。

平成26年4月から自動車取得税を減税。

平成26年4月に消費税率が8%に上がる時点で、平成22年度燃費基準を満たした自動車の購入時に納める自動車取得税を普通自動車は5%から3%に、営業用自動車及び軽自動車は3%から2%に引き下げられました。

 

国家戦略特区における優遇税制の創設

設備投資減税や研究開発税制の特例措置を導入。

国家戦略特別区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度が創設されました。

青色申告書を提出する法人で国家戦略特別区域法の一定の特定事業の実施主体として同法の認定区域計画に定められたものが、国家戦略特別区域内において、事業実施計画(仮称)に記載された機械装置、開発研究用器具備品、建物及びその附属設備並びに構築物で、一定の規模以上のものの取得等をして、その特定事業の用に供した場合には、その取得価額の 50%(建物及びその附属設備並びに構築物については、25%)の特別償却とその取得価額の15%(建物及びその附属設備並びに構築物については、8%)の税額控除との選択適用ができることとする。

ただし、税額控除における控除税額は当期の法人税額の 20%を上限とし、控除限度超過額は1年間の繰越しができる。

地方法人税(国税)(仮称)の創設

自治体間の税収格差是正のため、地方法人税を創設し、地方交付税として税収の少ない自治体に再配分する。

法人税を納める義務がある法人を対象に地方法人税(仮称)が創設されました。

地方法人税(仮称)額は、各課税事業年度の基準法人税額(課税標準)に 4.4%の税率を乗じて計算した金額となり、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

※基準法人税額は、基本的には所得税額控除、外国税額控除 及び仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除を適 用しないで計算した法人税額になります。

NISAの制度変更

非課税口座をおく金融機関を毎年変更可能になりました。

非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)について、金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設している、又は開設していた者は、当該非課税口座に設けられた非課税管理勘定の年分の属する勘定設定期間と同一の勘定設定期間内に、一定の手続の下で非課税口座の再開設又は非課税管理勘定の再設定をすることができることとする。